予備知識なしで読んだことがよかったです。主人公と一緒に世界を理解していくことができました。トミーがヘールシャムの教育について言っていた「何をいつ教えるかは全部計算されている。新しいことは、ほんとに理解できる少し前に教える。」というのが、作者から読者への伏線の張り方(単語の散りばめ方やタイミング)と同じだからなのかなって思います。だからこんなひどい境遇のお話でも、たんたんと受け入れてしまう。あとがきで訳者が読者に問いかけていた質問。エミリ先生はキャシーを使うかどうか。私は使わないと思う。使わないと思いたい。
読了日:02月15日 著者:カズオ・イシグロ
- 作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/08/22
- メディア: 文庫
- 購入: 32人 クリック: 197回
- この商品を含むブログ (341件) を見る